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なぜ、女の人に年齢を尋ねてはいけないのか?

7月22日のHSのサイトのLasten tiedekysymykset(子どもの科学質問コーナー)に、こんな質問を見つけました。


Miksi naiselta ei saa kysyä ikää?(なぜ、女性に年齢を尋ねることができないのか?)


質問をしたのは、エーヴィ・プルッキネンさん(9歳)とイートゥ・プルッキネンさん(7歳)、


Eevi Pulkkinen, 9 ja Iitu Pulkkinen, 7、おそらく姉妹でしょうか(Eeviは女性のファーストネームですが、Iituはわかりません)。


この問題、私自身も「失礼にあたるから」と思っていますが、なぜ失礼かということについては考えてみたこともありませんでした。


この質問に答えるのは、Turun yliopiston tutkijakollegium(トゥルク大学先端科学研究センター)でkollegiumtutkija(大学研究員)で dosentti(講師)でもあるヘイディ・クルヴィネンさんです。トゥルク大学のサイトによると、専門はヨーロッパと世界の文化史だそうです。


さて、質問に対する回答は…。


NAISEUTEEN ja mieheyteen on liitetty historian kuluessa erilaisia yhteiskunnallisia odotuksia.
女性であることや男性であることに結びつけられているのは、歴史のなかにあるさまざまな社会的な期待です。


Naisen iän kysymistä kieltävä tapa kumpuaa sellaisesta ajasta, jolloin naisen selvästi keskeisimmäksi tehtäväksi nähtiin vaimon ja äidin roolit. Naisen arvo määrittyi siten pitkälti lasten saannin kautta.
女性の年齢を尋ねることを禁止するマナーは、妻や母としての役割が女性の最も重要な任務として明白に見られていた時代から生まれています。そのため、女性の価値は、主に子どもを何人産んだかによって定められました。


※"saannin<saanti"の意味のひとつに"yield(収率)"があります。「子どもの収率」では工業的なので「子どもを何人産んだか」に置き換えてみました。以前、自民党の某議員が「産む機械」と発言したことを思い出しました。


Vaikka naisen roolit alkoivat moninaistua palkkatyön yleistymisen myötä, vielä 1960-luvulla keski-iän ylittänyt nainen oli aikalaisten mielestä jo kallellaan vanhuuteen.
賃金労働が一般的になるにつれて、女性の役割が多様化しはじめましたが、1960年代ではまだ中年を越えた女性は、当時の人の考えではすでに老年期に向かっているとされました。


Tämä johtui siitä, että sen ikäiset naiset eivät enää voineet saada lapsia. He eivät myöskään päässeet työelämässä tehtäviin, joissa ikää olisi arvostettu. Tällöin ajateltiin, ettei ollut kohteliasta kysyä ikää.
このことは、その年齢の女性はもう子どもを産むことができなくなったことになります。彼女らは職業人生において年齢が重く評価される仕事に就けませんでした。そのような場合、年齢を尋ねることは礼儀に反すると考えられていました。


Miehen asemaan ikä ei vaikuttanut samalla tavalla. Päinvastoin, miehen nähtiin usein vanhetessaan kypsyvän ja kykenevän siten täyttämään mieheyteen liitetyt vaatimukset entistä paremmin niin työelämässä kuin kotonakin.
男性の立場に対しては、年齢は同じようには影響を与えませんでした。それどころか、男性はしばしば、年を取ると成熟し、それによって職業生活においても家庭においても男らしさに関係する要件を(年を取る)前よりも良く満たすことができるというように見られました。


Nykyisin sukupuolten roolit ovat aiempaa moninaisemmat ja samalla vanhuuteen liittyvät mielikuvat ovat muuttuneet. Siksi ikäkysymys on menettänyt merkitystään.
現代では、性別による役割は以前より多様になり、同時に高齢者に関する印象が変わりました。そのため、年齢を尋ねることは意味が無くなりました。


Tavat ovat kuitenkin sitkeitä, joten yhä edelleen pidetään usein yllä ajatusta siitä, että naisen ikää ei sopisi kysyä. Voi hyvin olla, että tulevaisuudessa tapakäsityksestä päästäisiin eroon.
しかしながら、慣習は頑強です。それで、女性の年齢を尋ねることがふさわしくないであろうという考えが今でもしばしば残っているのです。将来、慣習の概念というものが取り除かれるようになるかもしれません。


記事は以上です。


回答者が最後で言っているように、この慣習からフリーになる時代がいつか来るのでしょうか?だとしても、興味本位で年齢を尋ねるのは、女性、男性どちらに対しても避けた方が無難なような気がします。

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