Suomiな気分で!

日本に居ながらフィンランド気分が味わえる(本人がですが…)ブログをめざします

「ヤギ」は「シカ」だった―前回のつづき

前回の「ヤギ」と「シカ」のもやもやについて、


私が普段使っているwebxicon.orgには、
kauris…Capricorn, Goat 日本語では山羊座、ヤギ
peura… deer, Any medium-sized deer of unspecified species, venison, reindeer, caribou, wild reindeer 日本語にすると…シカ、中程度の大きさのシカで種は特定しない、鹿肉、トナカイ、カリブー、野生のトナカイ
とあります。


ネットの辞書は便利なのでよく使うのですが、ときどき「えっ?」と思うときもあります。
そんなときは、紙の辞書を見てみます。WSOYの"Suomi-englanti-suomi-sanakirja"、私が10年前にフィンランドを旅行したときに現地で買ったものですが、これでkaurisを調べると、1番目の意味として(metsäkauris) roe deerとあるのです。日本語では「ノロジカ」です。


記事にも
Helsingin riistanhoitoyhdistys tunnisti HS:n pyynnöstä eläimen nuoreksi metsäkaurisnaaraaksi.
HSの依頼に応じて、ヘルシンキ狩猟管理協会は、その動物を若いノロジカの雌と同定した。
とありました。HSでは"metsäkauris"を単に”kauris”と表現したということになります。私のもやもやは一気に解決しました。


では、警察はなぜ"peura"と発表したのでしょうか。警察はこの動物を"valkohäntäpeura(オジロジカ)"だと考えたようです。HSはこう書いています。
Kauriit ja peurat näyttävät kuvissa usein hyvin samanlaisilta ja sekaannuksen mahdollisuutta lisää entisestään se, että valkohäntäpeuraa kutsutaan toisinaan myös valkohäntäkauriiksi.
kauris(ノロジカ)とpeura(オジロジカ)はしばしば写真ではほとんど同じように見え、valkohäntäpeuraはときどきvalkohäntäkaurisと呼ばれることが誤解の可能性をさらに増やす。


Googleでノロジカとオジロジカの画像を見てみました。たしかによく似ています。


さらに、
TUNNISTAMISTA vaikeuttaa myös se, ettei pelkästä sijainnista voi päätellä kumpi eläin on kyseessä. Metsäkauris ja valkohäntäpeura eivät kumpikaan ole tavaton näky edes Helsingin keskustassa.
場所からだけではどちらの動物が問題になっているか推測できないということも区別を困難にする。ノロジカとオジロジカはどちらもヘルシンキ市街地ではめずらしいものですらない。


見分けるにはお尻を見ればよいそうです。
Metsäkauriilla kun häntää ei ole, mutta valkohäntäpeuralta sellainen löytyy.
ノロジカは尾は無いが、一方でオジロジカはそのようなものが見つかる。


ウィキペディアで「シカ」を調べてみると、ノロジカもオジロジカも分類上はシカ科オジロジカ亜科に属しています。どちらに対しても、日本語では大雑把に「シカだ!」と言っても問題は起こらないと思います。ところがフィンランド語ではそうはいかないところが面白いと思いました。

×

非ログインユーザーとして返信する