Suomiな気分で!

日本に居ながらフィンランド気分が味わえる(本人がですが…)ブログをめざします

ヘルシンキの伝説のベーカリー「エロマンガ」の物語

前回予告したように、今回のフィン語学習のテキストはヘルシンキの老舗ベーカリー"Eromanga"のウェブサイトから"Eromangan tarina(エロマンガ物語)"にします。


Vuonna 1946 leipuri nimeltään Virjo perusti leipomon Helsingin ydinkeskustaan Kasarmintorin kupeeseen. Leipomolle piti keksiä nimi, ja Leipuri Virjo päätti pyöräyttää karttapalloa ja nimetä leipomonsa sormensa ohjaaman kohdan mukaan. Sormi osui pienelle ja eksoottiselle Tyynenmeren saarelle. Leipomo sai nimekseen Eromanga.
1946年、ヴィルヨという名のパン職人がヘルシンキのダウンタウン中心部にあるカサルミ通りのそばでベーカリーを始めた。そのベーカリーに名前をつけなければならなかった。そして、パン職人であるヴィルヨは地球儀を回して、彼の指が導く地点にちなんでベーカリーの名前をつけることに決めた。指は小さい、そしてエキゾチックな太平洋の島をヒットした。そのベーカリーは「エロマンガ」という名を得た。


Samoihin aikoihin Sirkka ja Åke Snellman pyörittivät Kauppatorilla pientä torikahvilaa, mistä sai kahvia ja leivonnaisia. Jaloissa auttamassa pyöri tytär Anja. Torikahvila oli perheellä verissä: Åken isoäiti oli myynyt kahvia Kauppatorilla jo 1800-luvulla. Leivonnaiset Snellmanit ostivat leipuri Virjolta, ja kuljettivat myyntiin torille.
ほぼ同じ頃、シルッカとオーケ・シュネルマンはカウッパ・トリで小さなマーケットカフェを経営しており、そこでコーヒーとペストリーが得られた。その足元で娘のアンヤが助けるために働いていた。そのマーケットカフェは(シュネルマンの)家族の血が流れていた:オーケの祖母は1800年代にすでにマーケーット広場でコーヒーを売っていた。シュネルマンたちはパン職人であるヴィルヨからペストリーを仕入れ、市場に運んだ。


※ここで"torikahvila"、マーケット広場でテントで営業しているカフェ、フィンランド旅行で何度か利用したことがあるのですが…これを一語で表す適切な日本語が思い浮かびませんでした。とりあえずそのまま「マーケットカフェ」としますが、なんかしっくりきません。


※※今回、最も難しかったのは"Torikahvila oli perheellä verissä"という文でした。まず"verissä"、単数では"veressä"で、「血が流れている」「血で覆われている」という意味です。もちろん、この場合の「血」は「血液」ではなく、「血を流すほど努力(苦労)している」という比喩か、「血筋、血縁」という意味のどちらかでしょう。「:」以下で祖母のことが述べられていますので、「血筋」と解釈しました。
次に文の構造ですが、"verissä"の意味の見当がつくと、この文は"Perheellä oli  torikahvila verissä."の倒置では?と思うようになりました。所有文で文字通りの意味は「その家族は血が流れているマーケットカフェを持っていた」となります。そこから上記の訳ができました。


Åke omisti kirjapainon, mutta päätti ostaa myös leipomon itselleen. Kauppaa käytiin vuosia, mutta viimein Snellmanit ostivat leipomon kokonaan vuonna 1975.
オーケは印刷屋を所有していた。しかし自分のためにベーカリーも買収した。数年間、店は営業したが、1975年シュネルマンは最終的にベーカリーを完全に買収した。


Anja Snellman jatkoi sukunsa perinnettä torikahvilan parissa, ja torikahvilasta, sekä Anjasta, tulikin vuosien saatossa tuttu helsinkiläisille. Torikahvilan pienessä oranssissa teltassa ovat käyneet vierailulla muun muassa Nelson Mandela ja Margaret Thatcher, joka vaihtoi korkokenkänsä mukavampiin kenkiin torikahvilan tuoleilla istuen.
アンヤ・シュネルマンはマーケットカフェとともに親族の伝統を守り続けた。そして年月が経つにつれ、マーケットカフェ、そしてアンヤはヘルシンキの人々によく知られるようになっていった。マーケットカフェの小さなオレンジ色のテントには、とりわけネルソン・マンデラやマーガレット・サッチャーが訪れた。サッチャーはマーケット広場のカフェの椅子に座ってハイヒールをそれよりくつろげる靴に履き替えた。


Tänä päivänä Eromangan Makasiinikadun kahvila on kaikenlaisten kaupunkilaisten kohtaamispaikka, ja ovet avataan edelleen jokainen päivä 7.00 aamun sarastaessa. Torikahvila, Hakaniemen hallin ja Vanhan kauppahallin toimipisteet ovat siirtyneet eteenpäin uuden sukupolven yrittäjille, mutta Eromangaa pyörittää edelleen Snellmanin perhe.
今日、エロマンガのマカシーニ通りのカフェはあらゆる都市の人たちが集まる場所であり、ドアは毎日夜が明けると7:00にオープンする。マーケットカフェ、ハカニエミマーケットホールとヴァンハマーケットホールの支店は新しい世代の企業家らに移譲された。しかし、エロマンガはいまだにシュネルマン一家が経営している。


Lämpimästi tervetuloa kahville ja lihikselle!
コーヒーとミートパイをどうぞ!温かく歓迎します。
※"lihikselle<lihis"は"lihapiirakka"の話し言葉。


現在のEromangaはPohjoinen Makasiinikatu 6(北マカシーニ通り6)、南エスプラナーディ通りからFabianinkatuを南に約200m下がったところ、Pohjoinen Makasiinikatuとの交差点の近くにあります。営業時間は、上に「毎日」とありますが、ウェブサイトによると実際は月曜~金曜の7.30~15.30になっています。


その名前からもユニークで興味を覚えるのですが、記事を読み終えてますます行ってみたくなりました。いつになるかわからない今度のヘルシンキ旅行の昼食はEromangaでコーヒーとリヒスにしようか…と妄想しています。

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